スパイクコースを打ち分ける

更新日:2024/04/10

あなたがチームのエースとして試合で得点をあげるにはどうしても避けては通れない壁があります。

それはブロックです。

スパイクで点を決めるにはこの壁(ブロック)をかわして相手コートへボールを叩きつけなければいけません。

どうすればブロックに捕まらずにスパイクを打てるのか、スパイクを打つ時のコースの打ち分けを、腕のひねりなどを加えずに体の正面に打つという前提で学んでいきましょう。

※基本的に右利きでの打ち方となります

スパイクコースは大きく分けて2種類

スパイクのコースは「ストレート」と「クロス」の2種類に分かれます。

コースの定義としては

  • ネットに対して垂直なスパイクが「ストレート」
  • ネットに対して斜めのスパイクが「クロス」

となっていてレフトとライトで各コースのボールの落ちる位置が違います。

クロススパイク

クロススパイクとは打つ位置からコートの対角線上の長いエリア【ボールがネットに対して斜めに飛んでいくスパイク】のことを言います。

したがって、レフトスパイク時のクロスは自コートから相手コートを見て右側、ライトスパイク時のクロスは左側となります。

ストレートスパイク

ストレートスパイクはその名の通りまっすぐで【ボールがネットに対して垂直に飛んでいくスパイク】のことを言います。

どちらもストレートスパイクで緑線がレフトのストレートスパイク、オレンジがライトのストレートスパイクです。

センターからのスパイクは?

センターからの攻撃の時はストレートはそのままですが、クロスは左右に打ち分けることができます。

センターはそのほかのサイドのスパイクと違い右や左など様々な入り方がありますよね。

この入り方によっても打ちやすいコースが変わってきますので一概にクロスと呼ぶことは少なく「ターン」や「流し打ち」などという表現をすることもありますので少し違うのかもしれません。

詳しい「ターン」や「流し打ち」などについてはのちのち触れていくことにしましょう。

インナースパイクという言葉もある

細かい話ですがクロススパイクにはさらにネット際のアタックライン内にスパイクする「インナー」なんていうコースもあったりします。

より高い打点でネットギリギリを狙いながらボールを撃ち落として狙います。

スパイクへの入り方を変えれば打つコースが変わる

単純に打つコースを変えたければ、スパイクへの入り方を変えてまっすぐ打てば自然とコースの打ち分けができます。

クロス方向に打ちたいのであれば上の図の赤線ようにコートの外側から内側へ切り込んで助走をとることで体ごとの勢いを生かしたクロススパイクが打てます。

ストレートは上の図の青線のようにネットに対して垂直に助走を取るのがいいでしょう。

文章で書けば当たり前ですし、すこし考えてみても当たり前のことですが。まずは、この考え方をしっかり頭に入れましょう。打てるかどうかはその次の問題です。

助走の取り方を変えればボールへの距離感や見え方が変わって打ちにくくなってしまいますので、最初はミスをしてしまうかもしれませんが、そこは練習あるのみです。それに、変に手先だけで小細工をせず、助走で入ったまままっすぐ体重の乗せたスパイクをクロスとストレートにコースを打ち分けられるようにならずに小手先の技術を覚えてもうまくいかないものですのでまずはここから始めましょう。

打ち分けるのは簡単になったけど・・・

助走の取り方を変えてコースの打ち分けができるようになれば基本の完成です。

それでは実際に試合でこの打ち分けを実践してみましょう・・・なんとブロッカーに止められてしまうではありませんか。

それもそのはず、このままではただの2択になるわけですし、相手ブロッカーに助走の入り方でコースが変わると気づかれてしまうと、ワンタッチを取られてしまったり、ブロックされてしまいます。

さらに厳しいことを言うと、少しでもコースが甘かったり、助走の入り方でコースが変わると気づかれていない状態だとしても何回もスパイクを打っているとだんだんブロックやレシーブに捕まってしまいます。

ではどうすれば良いのでしょうか?

腕の振り方を変えてみよう

そこで次は腕の振り方を変えてコースに打つ「クロススパイクを打つつもりで外から斜めに助走に入り、ストレート方向に打つ」と言うのをやってみましょう。

体の向きは変えないように斜めに切り込んでジャンプし、いつもよりやや頭の上の位置でボールを捉えます。顔の前を腕が通過するように振りストレートに打ち込みます。

※打ち方の詳しい説明については後日別記事で紹介しようと思います。

すると、あら不思議、ブロックにかかることなくボールは相手コートに落ちました。となるはずです。

と、言っても最初は腕の打ち分けを実際にスパイクでやってみるのは難しいと思いますので、まずは壁打ち同様地面に足をつけた状態で打ち分ける練習をするとよいでしょう!

なんとか自分のものにできれば、助走の違いでクロスとストレートにコースを打ち分けることもできますし、この腕でのストレート打ちで合計3種類の選択肢で相手ブロッカーと勝負することができるようになりましたね!

あまりお勧めはしないまっすぐからのクロス打ち

じゃあ、「ストレートを打つつもりでまっすぐ入ってクロスへのスパイク」を打てば選択肢が4つになってさらに有利なんじゃないか?と思う人もいると思いますので紹介をしたいところですが、中級者の皆さんにはあまりお勧めはしません。

人間の体は内側には力がかけやすい構造になっています。その逆でまっすぐ入ってクロスに打つフォームは外側にかける力のため筋力のバランスが出来上がっていないうちに実践して無理にボールを打ち切ろうとすると、トスでボールが飛んでくる勢いに力負けして肩を壊してしまう可能性があるからです。

ですので試して見たい気持ちはグッとこらえて次の項目から練習しましょう。

空中でひねりを入れて打ち分けてみよう

先ほどセンター攻撃のコースについて紹介している時にでてきた「ターン打ち」はこの空中でのひねりを指しています。厳密にはセンタースパイク時に右側へ打てるボールをしばらく待ちボールと同じように体をひねってから左側へ打つことをさすようですが、、、。空中でのひねり方については下記の「切り込むように入ってストレートへスパイク」を読んで見てください。

それでは、助走の取り方の違いによる打ち分けとクロスを向いてストレートへのスパイクはできるようになりましたか?

さらに勝負できる選択肢を増やすために、ジャンプ中に体の向きを変えてコースを狙ってみましょう。

切り込むように入ってストレートへスパイク

先ほど紹介した腕だけでストレートへ打つ方法の切り返しバージョンです。

体ごとストレートをむくことでスパイクの威力が増します。

ここから少し難しくなってくるので、ポイントを説明します。

  1. しっかり斜めに切り込んで助走をとる
  2. スパイクをする瞬間に左手を強めに引いて体を回転させるイメージ
  3. 回転した後の体の向きはネットに対して垂直まで
  4. 空中でのバランスを保てるようにする

以上の4つになるかと思います。

しっかり斜めに切り込んで助走をとる

ストレートへ打とうとして中途半端な助走にならないようにするためです。中途半端な助走はジャンプ力も落ちますし、何よりボールにパワーが伝わりにくくなります。

それに相手にストレートに向けて打とうとしていることがバレるリスクもありますので助走はしっかり全力で入りましょう。

スパイクをする瞬間に左手を強めに引いて体を回転させるイメージ

ジャンプしてすぐにストレート側を向こうとしてしまうと打ち手の右手とボールが重なって見にくくなってしまい打ち損じてしまう可能性が高くなります。

どちらかというと飛んできたボールに合わせてストレートを向くイメージで空中で回転できれば理想的です。

回転した後の体の向きはネットに対して垂直まで

このストレートへ空中で向いて打つスパイクの多くのミスは思った以上に回転してしまいストレート側でアウトになることです。

トスによって、ただでさえアンテナの方に飛んでいく力が働いていますのでストレートへ打つぞ、と力んでしまうとアウトになる可能性があがります。

さらに多くのチームの場合よほどストレートを警戒していない限りストレート側のブロックはボール一個分空いていることが多いのでワンタッチにもならずアウトとなってしまうことが多いのです。

せっかくのチャンスにミスをしてしまわないように力まず正確なジャンプと空中での姿勢を保てるよう意識しましょう。

空中でのバランスを保てるように意識する

空中で回転するにあたって必要なものとなる空中バランスですがこれには筋力が必要となってきます。

それはいわゆる体幹と言われるインナーマッスルです。目に見える腹筋や背筋などではなく体のもっと奥の部分にある馴染みのない筋肉ですが、怪我のしない丈夫な体作りには欠かせない部分ですので体幹を鍛えるようにしましょう。

空中バランスが悪いと無理な体勢でスパイクをすることになりじわじわと筋に負担がかかってきたり、着地が片足ばかりになりオスグットなどのケガにつながってしまいます。

空中で回転させた体の正面でボールをスパイクできるように意識しながら練習しましょう。

少し内側から入ってクロスへ打ち込み

図だとかなりセンターのポジションから助走をしていますがそんなに極端にする必要はありません。

コートの中から外側に向かって助走を取り今度は踏み込みの時にクロス側を向くように意識してジャンプをすると良いでしょう。クロスを向こうとして空中で打ち手をさらに引いてしまうとバランスが崩れる可能性が高いですからね、無理はせずできる範囲で体をひねりましょう。

基本的にポイントは変わりませんが、制御できずにネットに突っ込んでしまったり、切り返し際に後ろに勢いが残ることもあるので着地がうまくいかないこともありますので、あまり無茶な体制で打たないように気をつけましょう。

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