更新日:2020/12/03
各ポジションについての説明をしてきましたが、実際に新しくチームをつくって試合をしようとすると、どのようにしてチームを作っていけばいいか考えてみましょう。
まずは試合に勝つためには得点を取らなければ試合として成り立ちません。今のチームの中に攻撃できる人(スパイクを打てる人など)がいるかどうか考えてみましょう。
とはいえ初心者だけで一からチームを作る場合はメンバーのバレーボールのうまさはわからないものです。その場合はこれから練習して上手くなっていきますので他の要素からスパイカーに向いているかを考えてみるのもいいかもしれませんね。
例えば、
といった内容などからいろんな目線で攻撃に参加できそうな選手を決めていきましょう。
実際にチームにこの6人が集まったと想定して考えてみましょう。
一番左の1番の選手は他の人よりも身長が大きくて攻撃できそうなのでエースとしてスパイクを頑張ってもらいましょう。
まずは攻撃の要として前衛の真ん中にいてもらいます。
これで一人目のスパイカーが決まりましたが、バレーボールは前衛の3人しかネットの近くで攻撃に参加できませんのでできれば1番が後衛に下がった時に前衛で攻撃できる人が必要になりますので対角にもう一人打てる選手を探しましょう。
ということで他の5人のメンバーを比べてみたところ身長には大きな差はありませんでしたが、運動神経もよくジャンプ力のある3番の選手に1番の対角の位置、後衛の真ん中にいてもらうことでどのローテーションの順番でも攻撃が可能になりました。
これを2人軸としてチームを組み立てていきましょう。
ということで6人をそれぞれのポジションについてもらいました。
ここで注目したいのはセッターとスパイカーの位置関係です。
セッターはみんながレシーブした2回目のボールをトスに繋げないといけませんので打ちやすいトスを上げるためにサーブが打たれたらすぐにネットの近くに位置どりをしてレシーブを待ちます。(セットアップ)
その時に、セッターが前衛にいるとすぐセットアップできるため十分な準備をしてトスやレシーブのフォローができますが、セッターが後衛にいる場合の場合ネットとの距離が遠くなってしまいますのでうまくセットアップできないままボールを向かえなければならない場面も多く出てきます。そうなると、いい状態のトスをあげにくくなってしまいますので一番身長が高い1番の選手にカバーしてもらうためにセッターが後衛にいる時に前衛で攻撃できるようにポジションは離れた位置にしています。
次にセッターの対角の選手は主にレシーブがうまい選手を入れるのが良いと思います。このメンバーでいうと5番の選手ですね。
なぜかというとセッターは後衛の時でも常にトスを上げるためにネットの側にセットアップします。
そうした場合、セッターがいた位置に穴ができてしまうため後衛の3番と2番が左に詰めます。そうすると今度は後衛の右側に穴が移動してしまいますので前衛ですが5番の選手が後衛に下がってレシーブの穴を埋めることでレシーブのしやすい形を作っているんですね。
さらにセッターの負担を減らしてあげようとするならば、レシーブの時もセッターをそのまま前衛に残らせて5番が後衛でレシーブするという形もありえると思います。
もちろん、中学生や高校生になってくる前衛のセッター対角の選手はブロックを飛んでセンター自身がレシーブに入るレシーブ体系を取ることが一般的になってきますし、セッター対角が全日本の男子のようにオポジット(スーパーエース)と呼ばれる攻撃をメインにする役割を担うこともありますのであくまでも初心者だけでメンバーが揃った場合を想定していることを頭に入れておいてくださいね。
ここで一つ疑問に思った人もいるかもしれません。1番とセッターの6番が離れていればいいのならこのポジションでもいいんじゃないの?って
さて違いがわかるでしょうか?
簡単ですね「セッターが3番の右隣か左隣か」の違いですね。
もちろんこれでも大丈夫そうですがローテーションさせていってみましょう。
1つ目
1番が打ちやすいレフトから一番遠い前衛になってしまいますが、まぁ問題ありませんね。
次のローテーションを見てみましょう。
セッターが後衛の一番セットアップ位置から遠いところのポジションにいる時に一番身長の高い1番ではなく3番が前衛で攻撃しなければならなくてちょっと大変になってきました。
次のローテーションは・・・
これは一見問題なさそうですが、セッターのセットアップの動きを考えてみてください。セッターは左にいるので3番の前か後ろを横切ってセットアップ、そして振り返って3番に向かってトスを挙げなければいけないという難しい動きをしていますよね。
セッターが左前衛に来た時はこのセットアップをしなければいけない状況が絶対にくるのですが、その場合は1番が前衛の時におこるようにしてカバーしてもらいたいですよね。
ですので、このポジション構成は「できなくはないけどやるメリットが少ない。」ということになりますので「3番の左側にセッターがいるのが良いポジション構成」だと思います。
とはいえこの状況はサーブカットの時だけにしか起こりませんし、気をつければ他は好きなように編成できます。さらに、サーブが打たれた後は反則をしない限りはどこのポジションに移動してもいいというバレーならではのフォーメーション変更ができるので、ぜひ自分たちのチームにあった戦略を考えてみましょう。
それでは、最後に試合に臨むにあたって最後の調整をしましょう。
上の図のポジションをスタートにしても試合は問題なくできるとは思いますが、どうせなら一番身長の高い選手をすこしでも長く前衛で攻撃してもらいたいと思いませんか?
ですので、ローテーションを一つ戻して、、、
この形で試合のスタートが向かえられるようにすればチーム編成は完成です。
最後にと書きましたが、他にも「レシーブ位置はどうするだとかサーブカットはどうするなど細かい部分で決めることはまだまだありますので、次の項目の「ポジションの概念」でサーブカットの体系を「ブロックをしない場合のレシーブ体系」や「1枚ブロックのチーム編成の考え方」などを参考にチームとして強くなっていきましょう。
※今回は2人打てる選手がいるという想定でしたが、もちろん打てる選手が1人しかいないチームもあるかもしれません。その場合は後衛に回った時にはバックアタックを打ってもらうか、打てない選手は無理に打たずにオーバーパスやアンダーパスで相手のいないところへ返球して相手のミスを誘うという戦略になるかと思います。
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